借金が多くなってくると、返済が苦しくなってしまいます。
滞納すると当然債権者から督促などが来ます。
これを返済をせずに放置すると、どのような事になるのでしょうか？
督促を無視することで、借金返済を踏み倒すことができるでしょうか。
もちろんそんなに甘くはありませんよね。
そこで今回は、借金返済せずに放置するとどうなるのかと、借金を解決するための債務整理手続について先生に聞いてみましょう！
1．借金を放置すると債権者から督促が来る
（アシスタント）先生、こんにちは。今日は借金返済をせずに放置したり無視しているとどうなるのかについて教えてください。
（先生）こんにちは。借金というのは、たとえば消費者金融やクレジットカード、カードローンなどの借金のことですね。
（アシスタント）そうです。そのような借金がかさむと返済が苦しくなりますが、滞納してしまったらどうなるんでしょうか？
（先生）借金返済を遅延すると、まずは借入先の業者から支払の督促が来ますよ。
（アシスタント）どのような方法で督促が来るんですか？
（先生）まずは電話がかかってきたりハガキなどで督促状が届きます。
（アシスタント）借金返済を滞納すると、すぐに催促が来るんでしょうか？
（先生）はい。支払予定日の翌日には電話がかかってくることが多いですし、遅くとも1週間以内には何らかの連絡がありますよ。
（アシスタント）その場合、どこの電話にかかってくるんですか？いきなり職場に連絡が来ることはありますか？
（先生）それはありません。借金返済を遅延した場合にかかってくる電話番号は、借入当初に消費者金融などに登録した電話番号です。自宅の電話を登録していれば自宅に電話がかかってきますし、自分の携帯電話を登録していれば携帯電話にかかってきますよ。
（アシスタント）そうなんですね。消費者金融などが職場に電話をかけることは禁止されているんですか？
（先生）はい。消費者金融などによる借金取り立て方法は、貸金業法という法律で決められています。その中で、正当な理由がないのに債務者（借金した人）の職場に電話をかけて取り立てをしてはいけないことになっていますよ。
（アシスタント）じゃあ、返済を滞納してもいきなり職場に電話されて借金がバレることはないのですね。それなら安心です。
2．すぐに借金を支払うことが必要！
（アシスタント）借金返済を滞納して債権者から催促があった場合、どのように対処するのがいいんですか？放置していると問題はありますか？
（先生）放置していると、後に詳しく説明しますがいろいろな問題が起こります。借金を滞納してしまったら、すぐに遅延分を支払って滞納状態を解消しましょう。
（アシスタント）その場合、どのように支払手続をすすめればいいんでしょうか？
（先生）その場合、借入先の業者と電話などで連絡をとり、まずは支払をする気持ちがあることを伝えましょう。そして、具体的にいついくらなら支払えるのかを提案します。
（アシスタント）わかりました。それで、相手の業者が納得してくれれば、その内容に従って支払をすればいいのですね。
（先生）そうです。
（アシスタント）その場合、業者はどのくらいの期間支払を待ってくれるものなんですか？
（先生）最大でも30日程度ですよ。
（アシスタント）じゃあ、それ以上返済ができない状態が続くなら、別の対処方法を考えないといけないのですね。
（先生）はい、そういうことになります。
3．返済を放置した場合にどうなるか？
（アシスタント）借金を滞納して債権者から催促が来ても、返済をせずに放置しているとどうなるんですか？
（先生）その場合、いろいろな問題が起こります。以下で順を追って解説しますね。
3-1．ブラックリスト状態になる
（先生）借金を滞納して放置していると、ブラックリスト状態になってしまいますよ。
（アシスタント）ブラックリスト状態とは、ローンやクレジットカードなどが利用できなくなることですよね？
（先生）そうです。個人の借入などの関する信用情報は信用情報機関という機関に登録されていますが、借金返済を長期滞納すると個人信用情報に延滞情報が記録されてしまいますよ。
（アシスタント）延滞情報が記録されると、何が起こるんでしょうか？
（先生）クレジットカード会社や銀行などは、カード発行の際やローン審査の際に個人信用情報を参照します。だから、個人信用情報に延滞情報が記録されていると、審査に通らなくなってしまいますよ。
（アシスタント）それでローンやクレジットカードが利用できなくなるのですね。借金を滞納してブラックリスト状態になった場合、どのくらいその期間が続くのですか？
（先生）だいたい5年程度は延滞情報が記録され続けます。だから、借金を滞納して1度ブラックリスト状態になってしまうと、その後5年間もローンやクレジットカードなどを利用できなくなってしまいます。
（アシスタント）借金を滞納してから延滞情報が登録されるまでの期間はどのくらいになりますか？
（先生）だいたい61日～3ヶ月程度です。だから、ブラックリスト状態になりたくない場合には、借金滞納後2ヶ月以内に返済をして遅延状態を解消する必要がありますよ。
（アシスタント）わかりました。
3-2．一括請求書が届く
（アシスタント）借金返済を滞納して放置していると、ブラックリスト状態になる以外にも問題はありますか？
（先生）あります。まず、借金の督促を無視していると、債権者から借金の一括請求書が届きますよ。
（アシスタント）借金は普通分割払いになっていますが、長期滞納すると一括返済が必要になるんですか？
（先生）はい。通常消費者金融や銀行などとの契約では、借金を長期滞納すると、分割払いができなくなるという約束になっているからです。このことを「期限の利益喪失」と言いますよ。
（アシスタント）それは大変ですね。一括請求書が来る場合、何か特徴はありますか？
（先生）借金の一括請求書は通常内容証明郵便という種類の郵便で届きますよ。
（アシスタント）内容証明郵便とは何ですか？
（先生）郵便局と差し出し人の手元に、発送したのと同じ内容の控えが残るタイプの郵便ですよ。内容証明郵便が届く場合、書留郵便などと同じように受け取りが必要になるので、ポスト投函はされません。
（アシスタント）わかりました。
3-3．裁判をされる
（アシスタント）内容証明郵便で一括請求書が来ても、一括払いなんてできないのが普通ですよね。その場合、支払をせずに放置しているとどうなるんでしょうか？
（先生）その場合には、債権者から裁判をされてしまうおそれがあります。
（アシスタント）裁判は、借金を返すように請求する内容の裁判ですよね？
（先生）そうです。先に説明した内容証明郵便の一括請求書内にも「～までに返済をしなければ裁判を起こします」と書かれていることが多いですよ。
（アシスタント）裁判が起こるとどうなるんですか？
（先生）その場合、裁判所から訴状や口頭弁論期日呼出状などの書類が届きます。
（アシスタント）裁判所からの書類はどのような形で届くんでしょうか？
（先生）特別送達という種類の郵便で届きます。この場合も受け取りが必要になるので、ポスト投函はされません。郵便に「特別送達」と書いてあるのですぐにわかりますよ。
（アシスタント）なるほど、わかりました。裁判に行かないで放置するとどうなるんですか？
（先生）その場合には、相手方の言い分をすべて認めた扱いになります。その結果、債権者の言い分に従った判決が出てしまいますよ。
（アシスタント）判決の内容は、やはり「借金を支払え」という内容になるんでしょうか？
（先生）そうなります。借金全額と遅延損害金、さらには訴訟費用まで支払を命じられることが普通です。
（アシスタント）それは大変ですね。
3-4．差押をされる
（アシスタント）借金を返済出来ずに裁判をされて判決が出ても、やはり支払ができないことがありますよね。判決を無視しているとどうなるんですか？
（先生）その場合には、債権者から差し押さえを受けてしまいますよ。
（アシスタント）差し押さえとは、財産を法的に押さえられて取り立てられることですよね？
（先生）そうです。たとえば債務者名義の預貯金や生命保険、不動産、株券などの有価証券など何でも差押の対象になりますよ。
（アシスタント）給料を差し押さえられる可能性もありますか？
（先生）あります。給料の場合、通常は毎月の手取り分の4分の1を債権者に持って行かれることになります。
（アシスタント）じゃあ、手取りが20万円の人の場合には毎月の受け取り分が15万円になってしまうんですね。
（先生）そういうことです。給料を差し押さえられたら生活に対する影響は大きいです。早急に対処をする必要がありますよ。
4．借金返済ができないなら債務整理する
（アシスタント）借金を返済せずに放置していると大変なことになることはわかりましたが、そのような問題が起こらないようにするにはどうやって解決すればいいんでしょうか？
（先生）借金問題を抱えている場合には、債務整理手続によって解決することができますよ。
4-1．債務整理とは？
（アシスタント）借金返済が苦しい場合には放置するのではなく債務整理すべきなのですね。債務整理とはどのようなものですか？
（先生）債務整理は、借金を法的に整理するための手続ですよ。任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類があります。
（アシスタント）手続の種類によって内容や効果が違うんでしょうか？
（先生）はい、違います。任意整理は債権者と直接交渉をして借金額と返済方法を決め直して合意する手続です。特定調停は、借金について簡易裁判所で債権者と話し合う手続です。個人再生は、裁判所に申立をして借金返済額を大きく減額してもらう手続ですし、自己破産では裁判所に申立をして借金を0にしてもらうことができます。
（アシスタント）なるほど、それぞれ効果が違うのですね。それぞれの手続でデメリットもありますよね。
（先生）あります。だから、債務整理をする場合には自分の状況に合った適切な手続を利用する必要がありますよ。
（アシスタント）そうなんですね。債務整理をするタイミングなんですが、借金返済を滞納して一括請求書が来てしまっていても債務整理はできますか？
（先生）それはできます。その後裁判を起こされた後でも債務整理はできますし、判決が出てしまった後や差し押さえが起こっていても債務整理できますよ。
（アシスタント）それは助かりますね。じゃあ借金を滞納して差押が起こっていても諦める必要はないと言うことですね。
（先生）債務整理をすると差押を止める効果もあるので、差し押さえが起こっているならなおさら早めに手続きする必要がありますよ。
（アシスタント）わかりました。
4-2．債務整理する方法
（アシスタント）債務整理をするなら、具体的にはどのような手続きが必要になりますか？
（先生）その場合、まずは弁護士や司法書士などの専門家に相談に行きましょう。
（アシスタント）相談料はかかるんでしょうか？
（先生）今は多くの弁護士事務所などで債務整理の無料相談を実施しています。そのようなサービスを利用すると相談料はかかりませんよ。
（アシスタント）じゃあ、まずはインターネットなどで検索して無料相談の予約をするといいですね。
（先生）はい。他にも、資力がない人の場合などには法テラスなどの機関でも弁護士の無料相談を受けることもできますよ。
（アシスタント）わかりました。ありがとうございました。
まとめ
今回は、借金返済を滞納しているとどうなるのかを解説しました。借金返済を滞納すると債権者から督促が来ます。放置していると一括請求書が届きますし、それも放置していると裁判をされてしまいます。裁判で判決が出たら給料などの差し押さえをされるので、生活に大きな支障が出てしまいます。
借金返済が苦しい場合には、放置するのではなくきちんと債務整理で解決しましょう。債務整理をしたい場合には、弁護士の無料相談を受ける方法がおすすめです。今回の記事を参考にして、借金問題をスムーズに解決しましょう。
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