債務整理手続後の

債務整理をすると借金を上手に整理することができますが、債務整理後には支払が残ることが多いです。

債務整理をしても、その後の支払ができないと問題を根本的に解決したことにはなりません。

債務整理後の支払いはどのくらいの金額になり、期間はどのくらいかかるのでしょうか?

支払ができなくなってしまった場合の対処方法も知っておきたいところです。
今回は、債務整理手続後の残債の返済期間について先生に聞いてみましょう!

 

1.返済が残る債務整理手続は3種類!

女性アシスタント(アシスタント)先生、こんにちは。今日は債務整理手続後の残債の返済期間がどのくらいになるのか、教えてください。

 

弁護士の先生(先生)こんにちは。債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類がありますが、これらすべてにおいて手続き後に返済が必要になるわけではありませんよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)自己破産の場合には、借金が完全に0になるので支払は不要になりますよね?

 

弁護士の先生(先生)そのとおりです。だから、債務整理後に残債の返済が必要になるのは、任意整理と特定調停、個人再生の3種類になりますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。じゃあ、それぞれの手続での返済期間を教えてください。

 

 

2.任意整理の返済期間

 

弁護士の先生(先生)任意整理の場合、返済期間に法律上の定めなどはありませんよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)ということは、債務者と債権者が自分たちで自由に決めることができるということですか?

 

弁護士の先生(先生)そうです。任意整理とは、債権者と直接交渉をして借金返済額と返済方法を決め直す手続きです。だから、債権者との間で合意さえできれば返済期間をどのようにすることも自由ですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)たとえば返済期間を1年やそれ以下にすることもできますか?

 

弁護士の先生(先生)はい、できます。一括返済する提案なども可能ですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)逆に、返済期間を7年や10年のように長期にすることもできますか?

 

弁護士の先生(先生)それも可能です。ただ、あまりに長期になると債権者が嫌な顔をすることが多いです。

 

女性アシスタント(アシスタント)だいたいの目安の期間はないのですか?

 

弁護士の先生(先生)あります。任意整理で借金の分割払いの合意をする場合、だいたいは3年~5年程度の支払期間を定めます。

 

女性アシスタント(アシスタント)月々の返済金額はいくらくらいになりますか?

 

弁護士の先生(先生)だいたい月に数万円程度です。3万円~5万円の範囲内にすることが多いですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。

 

 

3.任意整理後の返済ができなくなった場合

 

女性アシスタント(アシスタント)任意整理後、途中で返済ができなくなったらどうなるんでしょうか?

 

弁護士の先生(先生)その場合には、債権者から裁判を起こされてしまいます。財産を差し押さえられる恐れもありますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)それは困りますね。任意整理後の返済ができなくなったらどのようにすればいいんでしょうか?

 

弁護士の先生(先生)その場合には、個人再生などの別の債務整理手続を利用して解決する方法が効果的です。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。

 

 

4.特定調停の返済期間

 

女性アシスタント(アシスタント)次に、特定調停の場合の返済期間について教えてください。

 

弁護士の先生(先生)特定調停をする場合には、簡易裁判所で調停委員を介して債権者との間で借金の返済金額と返済方法について話し合いをします。この場合、手続後の返済期間はだいたい3年に設定することが多いですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)3年より長期にしてもらうことはできないのですか?

 

弁護士の先生(先生)場合によってはできます。特定調停はあくまで話し合いの手続なので、債権者が合意してくれれば3年より長い返済期間を定めることは可能です。たとえば5年などに設定できることもありますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)任意整理の話し合いを調停で行うようなイメージなのですね。

 

弁護士の先生(先生)そうです。ただ、裁判所が関与する分任意整理よりは自由度が落ちます。だから、特定調停の場合には、原則として返済期間は3年程度になると考えておいた方が良いでしょう。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。その場合の月々の支払い額は、だいたいどのくらいになりますか?

 

弁護士の先生(先生)この場合も、任意整理と同様だいたい月に3万円~5万円程度になることが多いですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。

 

 

5.特定調停後の返済ができなくなった場合

 

女性アシスタント(アシスタント)特定調停後に債権者への支払ができなくなったら、どうなるんでしょうか?任意整理と同じように裁判をされて差し押さえが起こるんですか?

 

弁護士の先生(先生)いいえ、特定調停の場合にはさらに事態は深刻になります。特定調停で債権者と合意をする場合、債権者との間で「調停調書」が作成されますよね。

 

女性アシスタント(アシスタント)調停調書とは、その調停内での合意内容を明らかにする裁判所の書類のことですよね?

 

弁護士の先生(先生)そうです。そしてこの調停調書には、裁判の判決と同じ「強制執行力」という効力があります。

 

女性アシスタント(アシスタント)強制執行力とは、差し押さえをすることができる効力のことですよね?

 

弁護士の先生(先生)そのとおりです。だから、特定調停で合意をして調停調書ができてしまうと、その後の返済を滞納した場合には債権者は裁判をする必要がなく、いきなり債務者の財産を差し押さえできるのです。

 

女性アシスタント(アシスタント)それは大変ですね。じゃあ、特定調停後の支払いはくれぐれも滞納しないようにする必要がありますね。

 

弁護士の先生(先生)それが大切です。でも、どうしても支払ができなくなるケースはあります。たとえば調停後にリストラに遭って無収入になったり、病気で働けなくなるケースもありますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)その場合には、どのように対処したらいいんでしょうか?差し押さえを受けても我慢するしかないんですか?

 

弁護士の先生(先生)そのようなことはありません。個人再生や自己破産などの別の債務整理手続を利用します。個人再生や自己破産をすると、差し押さえなどの強制執行を止めることもできますのでとても効果的ですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)それは助かりますね。よくわかりました。

 

 

6.個人再生の返済期間

 

 

女性アシスタント(アシスタント)個人再生の場合にも手続き後に支払が残るのですよね。この場合、返済期間はどのくらいになりますか?

 

弁護士の先生(先生)個人再生は裁判所を利用した厳格な手続です。だから返済期間についても法律で定めがありますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)任意整理や特定調停のように、債権者と債務者が自分たちで自由に決めることはできないのですね。

 

弁護士の先生(先生)そういうことです。個人再生の場合、具体的には債権者への返済期間は原則3年と決められています。

 

女性アシスタント(アシスタント)3年以上に延長することは絶対に認められないのですか?

 

弁護士の先生(先生)絶対というわけではありません。個人再生でも、3年では支払がどうしてもできない特別な事情があれば、裁判所の判断によって返済期間を5年にまで延ばすことができますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)反対に、2年などの短い期間を定めることはできますか?

 

弁護士の先生(先生)それはできません。個人再生の場合、返済期間が法律ではっきり3年(最長5年)と定められているので、これに反する計画を立てることは認められないのです。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。個人再生後の月々の返済金額はどのくらいになりますか?

 

弁護士の先生(先生)個人再生の場合、最低弁済額があるので月々27800円を下回ることは原則としてありません。また、3ヶ月に1回程度の支払になります。一月換算にすると、だいたい月に3万円~6万円くらいの返済金額になることが多いですよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。

 

 

7.個人再生後の返済ができなくなった場合

 

女性アシスタント(アシスタント)個人再生後の返済ができなくなったらどうなるんですか?この場合もやはり財産の差し押さえなどが起こるんでしょうか?

 

弁護士の先生(先生)はい。ただ、1回程度遅延したからと言って、いきなり差し押さえが起こるということはありません。個人再生の場合には、返済ができなくなったらまずは再生計画の認可決定が取り消されてしまいますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)認可決定が取り消されたら、借金の減額がなかったことになるんですよね?

 

弁護士の先生(先生)そうです。個人再生で借金が減額されるのは、再生計画が認可されたことによります。だから、再生計画が取り消されたら、借金の減額がなかったことになって、元の通り全額の支払いが必要になってしまいます。

 

女性アシスタント(アシスタント)そんなことになったら大変ですね。そうならないために、返済できない場合にはどうしたらいいですか?

 

弁護士の先生(先生)この場合、いくつかの方法があります。まずは、個人再生の再生計画を変更してもらって、返済期間を延ばしてもらう方法です。

 

女性アシスタント(アシスタント)返済期間が延びたら月々の返済額がその分減って、返済が楽になりますね。

 

弁護士の先生(先生)はい。そのためには再生計画変更の申立をします。このことによって、返済期間を2年まで延長してもらうことができます。ただし、再生計画変更の申立が認められるためには、やむを得ない事情があって返済が著しく困難である必要がありますよ。

 

女性アシスタント(アシスタント)なるほど、必ずしも延長が認められるわけではないと言うことですね。そのほかにも対処方法があるんでしょうか?

 

弁護士の先生(先生)あります。個人再生後まったく収入がなくなるなどして、返済ができなくなるケースがあります。この場合には返済期間を延長しても問題が解決できません。

 

女性アシスタント(アシスタント)それなら、自己破産をして借金を0にしてもらったらいいんじゃないでしょうか?

 

弁護士の先生(先生)そのとおりです。個人再生後でも自己破産はできますので、返済が一切できないような状態なら自己破産が効果的です。

 

女性アシスタント(アシスタント)わかりました。債務整理後には結構長い返済期間があるので、滞納しないように注意して支払う必要がありますね。

 

弁護士の先生(先生)そのとおりです。

 

 

まとめ

今回は、債務整理後の返済期間について解説しました。
債務整理後返済が残るのは、任意整理と特定調停、個人再生の3種類です。
それぞれ返済期間が異なりますが、任意整理の場合にはだいたい3年~5年、特定調停では3年程度、個人再生では原則3年となります。
手続き後の返済ができなくなると、債権者から財産を差し押さえられるなどの問題が起こるので、支払を遅延しないように注意して生活しましょう。
どうしても支払ができなくなった場合には、別の債務整理方法を利用するなどして早期に解決しましょう。

 

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