時効の条件

借金に時効はあるのでしょうか?

借金が時効になるには、
どのような条件があるのでしょうか?

ここでは、借金が時効になる条件を分かりやすく解説しています。

では、早速見ていきましょう!

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本当に借金には時効があるの?

借金には時効があります。

しかし!

手続きをしなければ、
借金の時効は、ないのと同じ、ということをご存知でしょうか?

その手続きとは、時効の援用手続きと言います。
詳しくは、時効の援用とは?という記事をお読みください。

借金の時効とは、
正確には「債務の消滅時効」と言います。

この債務の消滅時効とは、
お金を貸した人が、
一定期間、借金を返してもらう権利を使わなかった場合に、
その権利を消滅させる制度のことを言います。
参考資料:民法第166条債権等の消滅時

時効になる条件とは?

借金が時効になるためには条件があります。

時効になるためには、以下の条件が必要です。

  • 最終支払日から5年~10年が経過していること
  • 時効の更新がないこと
    ・相手から裁判を起こされていないこと
    ・差し押さえなどを受けていないこと
    ・借金を認めていないこと

では、一つずつ解説していきましょう。

最終支払日から5年~10年が経過していること

時効になるためには、
最終返済日から5年、もしくは10年以上経過していることが条件です。

民法の条文を見てみましょう。

民法166条 債権等の消滅時効

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

出典:民法166条債権等の消滅時効
(参照:2023-01-12)

この条件のいずれか早い方が適応されます。

令和2年(2020年)4月1日に施行された民法改正により、民法の一部が改正されました

改正された内容には、消滅時効の期間も含まれていて、
以下のように改正されています。

旧民法
1.「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき」

改正民法
1.「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき」
2.「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」

また、商事債権(貸金業者など)の消滅時効は、業者の種類によって異なりましたが、
改正後は「
権利を行使することができる時から五年間行使しないとき」として統一されています。

ただし!

気を付けたい点として、
民法改正前に契約した借金は、
改正前の民法が適応されることです。

借金の契約日が、令和2年(2020年)4月1日以前か、
以降かによって時効の期間が異なりますのでよく確認をしてください。

従って、分かりやすくまとめると以下のようになります。

  • 消費者金融や銀行からの借金の消滅時効は5年
  • その他(奨学金や個人など)一般の借金の消滅時効は10年

このように覚えておくといいでしょう。

時効の更新がないこと

時効が成立するための条件に、
時効の更新がないことも重要な条件です。

以下に該当すれば時効が更新されてしまいます。

・相手から裁判を起こされる
・差し押さえなどを受ける
・借金を認める

このようなことがあると、時効の更新や時効の完成猶予の対象になってしまうので注意が必要です。

更新と完成猶予について

更新とは、民法改正で新たに設けられた仕組みです。
民法改正以前は「時効の中断」と呼ばれていました。
現在は、2つの仕組みに分けて使い分けされています。

▪時効の更新とは?
 リセットされ、最初から時効の完成日に向けて再スタートとなってしまうこと。

▪時効の完成猶予とは?
時効の完成が延長されてしまうことで、時効の完成日が先延ばしになること。

相手から裁判を起こされていない

時効の更新事由の一つに、
裁判をこされていないことがあげられます。

例えば、民事訴訟で判決が確定した場合、
または和解して裁判が終了した場合は、
時効が更新(リセット)されてしまいます。
参考資料:民法第147条 裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新

差し押さえなどを受けていない

差し押さえなどの強制執行を受けていないことも条件にあげられます。

強制執行とは、裁判所が強制的に債務者の財産を回収することです。
強制執行が行われた場合も、時効が更新(リセット)されてしまいます。
参考資料:民法第148条 強制執行等による時効の完成猶予及び更新

借金を認めていない

借金を認めないことも、大事な条件の一つです。
借金を認めることを「債権の承認」と呼びますが、主な事例を紹介しておきます。

例えば以下のようなことを指します。

▪少額でも返済してしまうこと
▪文書で返済を約束してしまうこと
▪口頭で返済の約束

これらは、全て「債権の承認」に該当してしまいます。

1円でも返済してしまうと該当してしまいます。
絶対に返済しないようにしてください。

貸金業者も、あの手この手で時効を阻止しようとしきます。
うっかりその手に乗らないようにしてください。

また、せっかく時効期間が経過して時効が完成していても、
時効の援用手続きの前に返済をしてしまうと、
時効の援用手続きの権利まで失くしてしまいますので、注意が必要です。

特に気をつけたいのが、電話でのやり取りです。
曖昧な返事も、十分に注意したい点です。

上記のようなことで借金を認めてしまうと
「債権の承認」とみなされ、
時効が更新(リセット)されてしまいます。
参考資料:民法第152条権利の承認

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時効の確認方法

時効の確認方法は以下の4つです。

  1. 債権者から届いた送付書類の確認
  2. 信用情報機関への情報開示請求
  3. 債権者への情報開示請求
  4. 専門家に依頼をして調べる

債権者から届いた送付書類の確認

債権者から送付される書類には、様々な送付書類があります。
例えば、請求者や督促状などがあります。

督促状があれば、最終返済日などの情報が記載されていることがあるので、最後の支払日がいつか確認をすることが可能です。

信用情報機関への情報開示請求

信用情報機関に自分の個人情報の情報開示請求をすることで、最終返済日を調べることができます。

自分で情報開示請求をすることも可能ですが、
信用情報調査のできる行政書士に依頼をするという選択肢もあります。

信用情報の専門家の行政書士なら、
弁護士や司法書士よりもはるかに安い費用で業務(時効の援用手続きや信用情報開調査)を引き受けてくれます。

解読が難しい信用情報に詳しい行政書士もいますので、依頼するのもアリかも知れません。

債権者の業種にもよりますが、各機関に情報開示をして確認をしましょう。

信用情報機関の一覧

消費者金融、信販会社など:(JICC)日本信用情報機構
携帯電話会社、信販会社など:(CIC)指定信用情報機関
銀行,信用金庫,信用組合など:(KSC)全国銀行個人信用情報センター

債権者への情報開示請求

実は、債権者にも
個人情報の開示請求をすることができます。

正直、あまりオススメしたくないのですが、
時効の確認方法ということで、お伝えだけします。

本来、お金を貸している本人(金融機関)に確認をするのが一番確かなのですが、
時効の期間を調べる場合は、一番聞いてはいけない相手かも知れません。

この個人情報の開示請求が引き金になって請求や督促が始まってしまうリスクがあります。
まさに、寝た子を起こす状況です。

さらに、この開示請求自体を「債権の承認」としてみなされる危険性も十分あり得ます。

従って、債権者への開示請求はオススメできません。

専門家に依頼をして調べる

一番確かな債権者への開示請求をしたいなら、法律の専門家に依頼をしましょう。
専門家ならあなたに代わって開示請求が可能になります。

法律の専門家とは、弁護士や司法書士を指します。
この法律の専門家に依頼をすると、費用は掛かりますが何より安心、安全、確実です。

費用をかけてまで解決したい借金なら、思い切って依頼をするのも方法の一つでしょう。

まとめ

借金の時効になる条件をまとめます。

  • 借金には時効がある
    借金が時効になると借金を回収する権利が消滅し、
    時効の援用手続きで、その借金は支払い義務が無くなる
  • 時効になる条件
    1.最終支払日から5年~10年が経過していること
    2.時効の更新がないこと
    ・相手から裁判を起こされていないこと
    ・差し押さえなどを受けていないこと
    ・借金を認めていないこと
  • 時効の確認方法
    ・債権者から届いた送付書類の確認
    ・信用情報機関への情報開示請求
    ・債権者への情報開示請求
    ・専門家に依頼をして調べる

借金が時効になる条件や、時効の確認方法を紹介しました。
是非、参考にしてみてください。

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