偏頗弁済

自己破産をする際、免責不許可事由のひとつに偏頗弁済(へんぱべんさい)と言う聞きなれない言葉が出てきます。

偏頗弁済とは何でしょうか?

そこで、自己破産をする際に、なぜ、偏頗弁済は免責不許可事由になるのか、偏頗弁済について分かりやすく解説をして行きたいと思います。

偏頗弁済の読み方と意味

偏頗弁済は「へんぱべんさい」と読みます。

聞きなれない言葉ですが、度を超えた偏った借金の返済と言う意味です。

  • 偏った(かたよった):一方へ寄る
  • 頗る(すこぶる):度を越えて、たいそう
  • 弁済(べんさい):借金を支払う

つまり、自己破産の際に使われる意味とすれば「特定の債権者にだけ借金を返済をする」と言う意味です。
自己破産では免責が認められない立派な免責不許可事由と言う訳です。

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偏頗弁済とは?

偏頗弁済の読み方と意味が分かった所で、改めて偏頗弁済について説明をして行きましょう。

偏頗弁済とは、特定の債権者にだけ返済をしたり、また担保を提供したりする行為を言います。

この特定の債権者とは、親、兄弟、子供、友人、上司など身近な人物も含まれます。
自己破産では、身近な人物への偏頗弁済が特に多いと言っていいでしょう。

担保を提供とは、土地・建物・車などを担保にしてお金を借りて、自己破産をする前に借りたお金が返せないので担保を差し出すと言う行為です。

自己破産手続き開始前や手続き中に、お金の代わりに土地や建物などの担保を返済として提供をすることも固く禁止されています。

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偏頗弁済をしてはいけない理由

なぜ偏頗弁済をしてはいけないのでしょうか?

自己破産は、その準備を始めた段階から
換金価値のある財産・資産を勝手に処分をしてはいけない決まりになっています。

なぜなら、

自己破産手続きが始まった時点で、財産は、管理は破産管財人に移るからです。

自己破産では、財産・資産がある場合、これらを全てお金に換算し平等に分配することで、残りの借金を免除してもらう手続きです。

しかし、偏頗弁済をすることによって、一部の債権者だけが利益を得ることになります。

これは「債権者平等の原則」に反する行為にあたり、自己破産の定義に反していることにもなります。
なので、裁判所としては到底認めるわけにはいきません。

偏頗弁済が疑われる場合、裁判所は30日ほどさかのぼってお金の収支を調べます。

もし、偏頗弁済があれば破産管財人が、偏頗弁済によるお金や担保を無効にして回収します。

「ついうっかり」も「知らなかった」も自己破産では通用しません。
なので、偏頗弁済は充分注意をしなければいけません。

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偏頗弁済は必ずバレる?

偏頗弁済は必ずバレてしまいますので、決してしてはいけません。

自己破産をするためには、財産・資産などの証明、債権者の証明もする必要があります。
裁判所としても、自己破産の免責を認めるには、全てを調べた上で何も問題がないことを証明しなければいけません。

そこで、裁判所から選任された破産管財人は、破産申立て人の免責不許可事由がないか徹底的に調査をします。

破産管財人は、
提出された書類、給料明細書や通帳のコピー、家計の収入や家賃や光熱費、食費等の支出を集計した家計簿などを全て照らし合わせて、お金の動きを調べます。

少しでも合わない収支があれば、何度も本人に確認をします。
そして変なお金の動きがあれば、すぐに偏頗弁済を疑います。

いくら偏頗弁済を隠しても、破産管財人は自己破産のお金の動きを調査する、言わばプロですから、隠し通せるものではありません。

偏頗弁済は必ずバレてしまうと理解しておきましょう。

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どんなことが偏頗弁済なる?<事例をご紹介>

偏頗弁済に当てはまってしまう返済事例をいくつか紹介しましょう。

家賃の滞納の返済

家賃に滞納が無く、通常通りの家賃の支払いは偏頗弁済になりません。

しかし、家賃を滞納している場合は要注意です。

仮に自己破産をしたからと言って、賃貸住宅から追い出されたりはされません。
自己破産を理由に追い出してはいけない決まりがあるからです。

ただ、自己破産で免責が認められたら、滞納していた家賃は支払い義務が無くなりますので、大家さんとしては家賃を支払わなかったことを理由に、立ち退きを要求してくるかも知れません。

このような場合の対処法は、親族などにお願いをして本人の代わりに第三者として滞納をしていた家賃を支払ってもらう言う方法もあります。

ただし、破産申立て人が名義だけ貸してもらって支払いは本人ではないかと疑われないように、充分注意が必要です。

また、滞納している家賃の金額か少額の場合、裁判所も偏頗弁済にはあたらないとしてくれる場合があるので、依頼をしている弁護士・司法書士に相談をするのがいいでしょう。

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大家さんさえ同意をしてくれれば、敷金から補填をしてもうなど、しっかりと話し合いをしましょう。

携帯電話・スマホの延滞料金の返済

携帯電話・スマホの料金の通常の支払いは偏頗弁済にはなりません。

しかし、滞納分や延滞料金の支払いは偏頗弁済になります。

自己破産をすると、信用情報に事故情報が登録されるため、新規で携帯電話・スマホの契約ができなくなります。

だからと言って、強制解約を避けようと携帯電話・スマホの延滞料金を、慌てて自己破産手続直前に支払うことは、偏頗弁済となるため注意しましょう。

このような場合も家賃と同様に、親族などにお願いをして本人の代わりに第三者として延滞料金を支払ってもらう方法もあります。

ただし、第三者に返済してもらった延滞料金を、本人が返してはいけません。
偏頗弁済になってしまいます。

公共料金の滞納分の返済

月々の公共料金の支払いは偏頗弁済とはなりません。

ガス・電気・水道料金などの公共料金の支払いに関しては、生活をしていくうえで必要不可欠だからです。

ただし!
家賃と同様に、滞納分の公共料金の支払いは偏頗弁済となる可能性があるので注意が必要です。

口座引き落としで返済

これもうっかりやってしまう偏頗弁済です。

本人には全く偏頗弁済をする意思が無いのに、やってしまいがちです。
この場合も本人の意思と反していても、偏頗弁済にあたります。

自己破産手続きを開始したら、口座の残高は0円にしておきましょう。

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偏頗弁済はいつからいつまで?

偏頗弁済がカウントされるのは、一体いつからなのでしょうか?

また、いつまで偏頗弁済が続くのでしょうか?

破産法162条によると、偏頗弁済が始まる基準は「支払不能」か「破産手続開始の申立て」の後からです。

そして、偏頗弁済が終了するのは、裁判所の免責決定の後までです。

ちなみに…裁判所の免責決定の後は、税金や保険料などの非免責債権以外の返済義務はありませんが、支払ってはいけない決まりもありません。
返済をしたければしても構わないと言う訳です。

偏頗弁済のまとめ

偏頗弁済とは、特定の債権者にだけ返済をしたり、また担保を提供したりする行為ということがお分かり頂けましたか?

偏頗弁済は免責不許可事由ですので、自己破産で免責が認められない可能性があります。

偏頗弁済は「ついうっかり」も「知らなかった」も自己破産では通用しません。
なので、偏頗弁済は注意をしなければいけません。

偏頗弁済に当てはまるか、一般の人には見分けが難しいです。
分からないことがあれば、無料で相談できる専門家に相談をするのが一番望ましいと思います。

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