自己破産しても、生活保護は受けられるのでしょうか?
また、注意すべき点はどのような事なのでしょうかは?
結果から言いますと、
自己破産をしても、生活保護を受ける事はできます。
むしろ、自己破産をすると生活保護が受けやすくなります。
ただ、いくつか注意事項があります。
この注意事項を知っていると、自己破産や生活保護をするにもとても役立ちます。
そこで、以下の内容では自己破産をしても生活保護が受けられる理由と、
その時に注意しなければいけない点などを詳しくご紹介します。
では、早速参りましょう!
自己破産をして生活保護を受ける時の注意事項
自己破産をして生活保護を受ける時の注意事項はなんでしょうか?
自己破産をしてから、生活保護を受けても何も問題は無いのですが、
ただ、3点だけ注意しなければならないことがあります。
次の3つは生活保護を受ける場合の禁止行為です。
1.生活保護の給付金を借金返済に充てる!
2.生活保護を隠して借金!
3.贅沢品・乗用車・財産などの所有!
これらについて以下で詳しく解説しましょう。
1.生活保護の給付金を借金返済に充てる行為
生活保護の給付金を借金の返済に充てることは禁止されています。
生活保護の給付金は、国民の税金から賄われています。
最低限の生活を送るための足りない分の給付なのに、その給付金を個人の借金の返済に充てることは許されない行為です。
なので、給付金を借金返済に充てることは許されません。
もし、福祉事務所の担当者(ケースワーカー)に知られたら、即給付金は打ち切りになってしまいます。
打ち切りになる上、給付金の返還請求をされる可能性もにあります。
悪質と判断をされると、刑罰の対象になることもあるので、給付金の借金返済は絶対にしてはいけません。
また、給付金の返還請求がかけられると、いくら自己破産をしたとしても、免責対象になりませんから、支払いを免れることはできません。
2.生活保護者であることを隠して借金をする行為
生活保護が認められて受給者になった後に新たに借金をすることはできますが、絶対にお薦めできません。
しかも、生活保護者と言うことを隠して借金をすると、発覚した時に詐欺罪に問われますので、絶対にしてはいけません。
生活保護受給時の借金は、デメリットしかないです。
生活保護を受けている場合、借金は「収入」とみなされます。
生活保護を受けている以上、収入は報告の義務がありますし、収入とみなされれば、当然受給額は減らされます。
受給額が減ることを恐れて報告しなかったリ、また、借金をしたことを隠したりした場合、不正受給と判断され、即給付金は打ち切られます。
この場合も、給付金の返還請求と刑罰の対象になる可能性があります。
また、ローンを組んだり、クレジットカードの作成や使用も、借金をする事と同様のため、ケースワーカーには認めてもらえません。
この時、自己破産をしている状態なら、約7年~10年は信用情報に事故情報が登録されているので、そもそもローンやクレジットカードなどの利用や借金の契約はできません。
ある意味自己破産していると安心です。
3.贅沢品・乗用車・財産などを所有する行為
生活保護を受ける条件の中に「あらゆる手段を持って財産を換金して生活に充てても最低限の生活に及ばない場合」と言うものがあります。
なのに、贅沢品や財産と言った物を所有することはこの生活保護を受ける条件に反している事になります。
贅沢品や財産を所有した場合は、換金して生活に充てられると判断をされ、給付金を打ち切られるでしょう。
そして、乗用車については、乗用車の名義人を問わず、運転・所有が基本的に禁止されたいます。
ただ、乗用車が無いと生活に支障がでる場合のみ、乗用車の使用を例外的に認めてもらえることもあります。
生活に支障がでる場合とは、例えば、乗用車がないと仕事ができない場合や、病院の送り迎えや障害があるため乗用車が必要などの場合を言います。
生活保護の支援は、最終的に保護を受けなくても、最低限の生活ができるように支援をする事であって、上記の場合のような事情がある時は乗用車の使用を認めてもらえるようです。
自己破産をしてから生活保護を受けた方がいい場合は?
先ほど自己破産や生活保護、それぞれの申立てや申請のタイミングに決まりは無いと申し上げましたが、事例によっては自己破産を先にした方が効率がいい場合もあります。
借金がある場合は自己破産を先にしてその後に生活保護を申請することをオススメします。
例えば、借金がある場合、借金の督促が厳しく精神的に困っている時は自己破産を先にした方がいいと言えます。
この場合は、早急に専門家に依頼をした方が得策です。
先に専門家に受任通知を郵送してもらって督促を止めてもらえれば精神的にも楽になるでしょう。
ただし、相談する専門家は、必ず債務整理の実績が豊富な弁護士か司法書士を選びましょう。
督促を止めてから落ち着いて生活保護を申請しても、自己破産の手続きは3ヶ月~6ヶ月程かかるのに対し、生活保護は2週間ほどで手続きが完了しますので慌てなくても大丈夫です。
むしろ、仕事をしていて給与をもらっている場合、借金の督促や請求を止めないと債権者から給与の差し押さえなどの強制執行が行われる可能性があります。
でも、すぐに自己破産の手続きをすれば、給与差し押さえなどの強制執行は無効になりますので心配はいりません。
生活保護を受けてから自己破産をした方がいい場合は?
生活保護を受けてから自己破産をした方がいい場合は、3つのパターンがあります。
一つずつ紹介していきます。
1.生活がひっ迫している時は生活保護が先!
まず一つ目は、生活がひっ迫している場合です。
自己破産は申立てをしてから最短でも約3ヶ月は時間がかかります。
平均しても同時廃止で3ヶ月~6ヶ月、管財事件では1年かかる場合もあります。
生活がひっ迫している状態では、自己破産をしている間にとても生活が持ちません。
なので、まずは早急に生活保護を受けましょう。
生活を安定させてからでも自己破産はできますので、生活を優先される方が先決です。
2.生活保護を先に受けると自己破産の費用が免除!
二つ目は、生活保護を先に受けることで自己破産の費用が免除になる可能性が高いです。
生活保護を先に受けていることで、法テラスを利用して自己破産をすることができます。
法テラスを通すと「民事法律扶助制度」と言う、自己破産にかかる弁護士・司法書士費用を立て替えてもらえる制度が利用できます。
ただ、制番所に支払う手続きの手数料や予納金と言った費用は立て替えてもらえません。
立て替えてもらった費用は、月々5千円から1万円を法テラスに返済することになりますが、専門家に支払う費用が無い場合は非常に助かる制度です。
この法テラスの利用をする時、生活保護を先に受けていることで、返済しなければいけない専門家の費用の返済義務が免除されます。
また、裁判所に支払う手数料や予納金も免除になります。
事実上、生活保護を受けてから自己破産をすると自己破産の費用は一切かからないと言うことです。
<免除になる税金など>
・所得税
・住民税
・国民年金保険料
・介護保険料
・保育料
<その他免除になる料金など>
・MHK受信料
・水道料金
・医療費
・介護費
・葬祭費用
・弁護士・司法書士費用
<裁判所の費用>
・自己破産申立て手数料
・予納金
・その他裁判所費用
3.滞納金や非免責債権がある場合も生活保護が先!
税金や国の保険料などの滞納がある場合や自己破産で非免責債権がある場合、生活保護を先にする方が良いでしょう。
この場合は生活保護をすることで、
滞納した料金や自己破産で非免責債権が免除になる可能性があります。
「非免責債権」とは、税金や国の保険料、慰謝料、罰金などのことです。
これらは、自己破産をしても必ず支払わなければいけないものです。
非免責債権をもっと詳しく知りたい方はこちら
しかし、生活保護が認定すると、自己破産で残ってしまった非免責債権は全て免除になります。
自己破産前に滞納していた税金などあった場合、これらの強制執行処分は執行停止になります。
つまり、今現在すぐに返済するものが全て無くなる訳です。
この執行停止状態が3年経過すると、滞納分の支払い自体が失効しますので、生活保護が打ち切りになっても支払い義務は無くなります。
ただし、
3年経過前に生活保護が打ち切りになった場合は、執行停止が再開しますので支払い義務も復活します。
まとめ
自己破産をしても、生活保護を受ける事はできますし、
自己破産をすると生活保護が受けやすくなります。
また、自己破産をしても、生活保護を受けることができますし、逆に生活保護を受けても自己破産ができます。
<生活保護を受ける場合に禁止されている項目>
- 生活保護の給付金の借金返済
- 生活保護を隠して借金
- 贅沢品・乗用車・財産などの所有
自己破産は、借金で困ってしまった時の救済措置です。
生活保護は、最低限の生活を送るための支援制度です。
自己破産をしてから生活保護を受けると、とても困っている時に非常に助かることは間違いありません。
不明点があれば、債務整理の実績の豊富な専門家に相談するようにした方が良いでしょう。
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